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2014/08/03(日) 22:05:18.66 ID:dMtqDtw/0
一月 八日
……いい加減出発したいです。
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2014/08/03(日) 22:05:59.85 ID:dMtqDtw/0
もしそれが海辺だったとしたら、
『波たちさへて 入れずもあらなむ』
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2014/08/03(日) 22:06:58.89 ID:dMtqDtw/0
一月 九日
やっと出発です。
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2014/08/03(日) 22:07:54.51 ID:dMtqDtw/0
沖へ漕ぎ出すと、すぐに海辺の人々の姿が見えなくなりました。
いざ別れるとなると、急に寂しさが湧いてきます。
もっとお話がしたかったなぁ……
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2014/08/03(日) 22:08:44.08 ID:dMtqDtw/0
やがて、宇多の松原を通りすぎました。
松の木がどれだけあるのか、いつからこの松はあるのか分かりません。
船中には、この景色の素晴らしさを歌に詠む人もいました。
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2014/08/03(日) 22:09:34.95 ID:dMtqDtw/0
すっかりあたりは暗くなり、西も東もわかりません。
船旅に馴れていない人は、夜は男性でも心細くなるようです。
ボクは真っ暗な景色が怖くなり、船底で泣いていました。
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:10:47.17 ID:dMtqDtw/0
一方、船頭や楫取りたちは何とも思っていない様子です。
『春の野にてぞ 音をば泣く 若薄に 手切る切る
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/03(日) 22:11:21.47 ID:dMtqDtw/0
一月 十日
奈半の港に停泊しました。
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2014/08/03(日) 22:12:20.90 ID:dMtqDtw/0
一月 十一日
まだ夜の明けないうちから、室津へと目指します。
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2014/08/03(日) 22:13:17.11 ID:dMtqDtw/0
表現が直截すぎて、あまり上手な歌とはいえません。
しかし、なるほど、と思ってしまうところもあります。
ボクは、この女の子の姿を見て、出立前に亡くなった子の事を思い出していまいました。
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2014/08/03(日) 22:13:49.00 ID:dMtqDtw/0
一月 十二日
雨は降らず、快晴です。
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