過去ログ - いーちゃん「魔法少女?」哀川「そうともさ」
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130: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/08/12(火) 08:27:27.10 ID:OKVkJ4nYo
「ねぇ、まどか」

「なぁに?さやかちゃん」

唐突に呼ばれたにも関わらず鹿目まどかは慌てることなく返事をする。
きっと同じことを考えていたからだろう。

「マミさんが言ってた…願い事…」

そこまで言って美樹さやかは言い淀む。
願いを叶える代わりに魔法少女として過酷な運命を受け入れる事実。
まだ中学生である彼女にはどうにも釣り合っているようには思えない。 
さらに言うなら彼女はまだ魔法少女の運命の辛さを知ってはいない。
だからこそ言い淀む。
叶えたい願いが多過ぎて悩んでいるから。

「私も決められないよ…」

願い事。
奇跡。
聞こえはいいがやはりそれは対価あってのもの。
一人の中学生が選択するにはそうしなければならない状況にでも陥らないと選択しきらないだろう。

ぴし、と空気が変わる。
それは別に大したことじゃない。
屋上にいる二人がいきなり雨に打たれたからでも
雷が鳴ったからでもない。
ただどこからともなく現れた少女がこちらに視線を送ってきたからだ。

「魔法少女になってはダメよ」

黒髪の少女、暁美ほむらはそういう。

「…あんたには関係ないでしょ」

美樹さやかもそれに応じる。
二人の間に流れる痛いほどの沈黙。
それは鹿目まどかと美樹さやかが巴マミに助けられた時にこの少女、暁美ほむらとも出会っていた事が原因だろう。
そしてその出会いがいいものではなかったということはこの沈黙が物語っている。

「忠告はしたわよ」

そう言って暁美ほむらは姿を消す。
ただならぬ雰囲気を身にまといながら
憐れむような、悲しむような目をしながら。
疲れた様な歩き方で
彼女は消えていった。



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