過去ログ - 昼下がりの女子中学生 百合ver
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120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/10(日) 17:35:51.94 ID:hOlQShf80
「ねえ、かやちゃん」
「なあに」
「旅行行かない?」
「いいけど、突然だね」
「いいじゃん、今思いついた」
「どこに?」
「どこでもいいけど」
「えー……寝てる時に変なことしない?」
「ぶッ……しないし」
「……嘘つき」
かやがぶっきらぼうに言った。
確かに、最近がっつき過ぎたかも。
「嫌なら止めるし」
「その言い方卑怯だから……」
「かやちゃんが温かいのが悪い」
「え、私のせい?」
「うん」
私は笑う。昨年は、こうやってからかうこともできなかった。
ただ見守るだけだった。今年は彼女の幸せを堂々と祈ろう。
「ちーちゃんのえっち……」
「ちょっと」
いささか死者の前でするには、不謹慎な話だ。それでも、弔いの煙で誤魔化すように涙を隠す彼女はもういない。
終わる気配を見せない夏の夜。慰めることを忘れたのか、時間が止まったように思えた。
ずっと、続けばいいとさえ思ったけれど、彼女と共に大人になりたいから。
おじさんおばさん、ごめんなさい。
「なんまーど、なんまーど」という掛け声と爆竹の音が重なる。
生温い風が、船を追い越すように私たちの横を通り過ぎていった。
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