過去ログ - 昼下がりの女子中学生 百合ver
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/08(金) 01:58:10.08 ID:hxj0TQd00
斜陽が伊藤さんの顔を染める。
「心配した。あの書き置きはひどい」
「ちゃんと捜さないでって、お願いしたのに」
「私、そんなに信用ない?」
「はあ? なんでそうなるの」
「一緒にいたら迷惑だった?」
私はぎょっとした。伊藤さんは唇を震わせていた。
瞳が潤んでいた。
「な、泣くことないじゃん」
「泣いてないよお……」
手で目をこする。説得力はない。
鼻をすする音が、余計に罪悪感を募らせる。
私が悪い。そんなこと分かってる。でも、泣くほど?
「……おばあ、ご飯作って待ってるから、おいで?」
伊藤さんが私の手を掴む。じわっと湿っていた。
それがくすぐったくて、手を振り払おうとしたけれど、思ったよりも力強く握られていた。
頭一つ分背の高い伊藤さんが、私の顔を覗き込む。
「昨日の弁当の残りあるし……」
顔を逸らして言った。そんなひねくれた言葉しか浮かばない。
「いいから、行く」
腕を引っ張られる。私は俯きながら、多少足を引きずらせつつ、しぶしぶそれに従った。
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