過去ログ - ダンガンライブ! 希望の学園と絶望のスクールアイドル
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2014/08/08(金) 00:24:59.83 ID:h8tIGj4X0
見覚えのない廊下に、またしてもにこの思考は奪われる。
にこはこの教室を出るまで、少なくとも自分の立っているこの場所が、音乃木坂学院の教室だとばかり考えていた。それだけが、この非現実な現象と現実を結ぶ細い糸のようにすら思っていた。
よくよく観察してみれば、教室内からして音乃木坂とは違うということが分かったのだが、正常な判断が出来ない状況に陥っていたにこがそう錯覚していたのも無理からぬ話であった。
「どこよ、ここ……。た、体育館の場所が分からないじゃない」
しかし、いつまでもこうしているわけにもいかない。先ほどと違って、今は向かうべき場所が提示されているのだ。強がるようにそう呟き、適当に当たりをつけて右へと歩き出す。
歩きだした瞬間、隣の教室の扉が開き、ひょいと見知った顔が現れる。
「希!」
「あれ、にこっちやん。良かった、ウチ以外にも人居ったんやな」
教室から出てきたのは、にこと同じスクールアイドルグループ『 μ's』に所属している希である。にこ程にこの場所に恐怖を感じていないのか、いつも通りの柔和な笑顔ににこは安堵を覚え、泣きそうになる。しかし涙を無理やりに止め、さも自分も恐怖を感じていないかのように、胸の前で腕を組んでみせる。自分の弱いところは人には見せるのが、にこのプライドを著しく傷つけるであろうことは、考えるまでもないことだったからだ。
「なんや、変な場所やね。外は見えへんし機銃はあるし」
「ドッキリじゃないの? カメラもあったし、にこ達を閉じ込めて怖がってるところを撮影しようって魂胆よ」
「それは流石に無理があるんちゃうかな」
希が苦笑する。にことて、本当にそう思っているわけではない。ただ、そうでも思わなければこの状況に説明がつかないので、無理やりにそう言っているだけだ。
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