過去ログ - ダンガンライブ! 希望の学園と絶望のスクールアイドル
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88:名無しNIPPER[saga]
2015/01/04(日) 20:24:33.74 ID:ttc7/UFvO
 室内には鍵以外にめぼしい物はなかった。ベッド横の棚の中に裁縫セットがあったが、だからどうしたというだけである。ことりには必要なものかもしれないが、裁縫が趣味というわけでもないにこには無用の長物であり、そのことりにしてもオンボロとはいえミシンを手にしてしまっている。

 恐らく二度と使うこともないだろう。そんな確信にも似た何かを感じながら、にこは棚の中に裁縫セットを戻し閉じる。

 一縷の望みをかけて開いたシャワー室にも、ボディーソープやシャンプー、リンスに石鹸と最低限の物は揃えられているが他には何もない。愛用までとはいかなくても、コンビニでも買えるような洗顔セットすらないのだから、これはもう笑うしかない。

「本当に何も無いわね。早く助けてもらわなきゃ、皆ニキビだらけになっちゃうじゃない」

 二、三日放置したところで荒れるほどに、特別肌が弱いというわけでもないが気持ちの問題なのだ。

 この個室を逃せば、残る施設はゴミ捨て場らしきアイコンのみである。そんな場所にパックがあるとは到底思えないことも、にこの苛立ちを増長させていた。しかし無い物は無いのだ、苛立てば余計に肌が荒れるだけである。

「仕方ないわね、ここにいる間は諦めましょ」

 にこがそんな決断に至るのも、仕方のないことだった。


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