7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 15:41:57.29 ID:PqSllGERo
少し離れると、
あの子が細い指を二本ほど揃えて伸ばして
はみ出た花と葉に触れてる姿がはっきりと見える。
肩から垂れた黒く艶やかな髪の毛先が
ときどき風に小さく揺れて、
膝元の花に触れたり横顔を隠してしまったりもする。
うだるような暑さのなか、
蝉の音は遠のいて、
もう耳に刺さるほどではない。
白い小さな耳たぶが
寄せては返す髪のなかで見え隠れして、
いつか見た波打ち際を思い出したとき、
ああ、
だから「うみ」なんだ、
と勝手に納得してしまった。
それは絵はがきにでもしたいほど映える光景で、
でももし、
そんな絵はがきがあったとしても、
私は誰にも宛てることなく机の奥へしまい込んでしまう気がする。
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