過去ログ - 勇者「それでも俺は魔王を倒す」ヒロイン「言うと思った」
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43: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2014/08/11(月) 12:10:08.41 ID:ZbuWHB4fO
ヒロイン「勇者に全てを話そうと思った事もあったよ?でもね…そんな残酷な事、できなかった。本当は皆死んでいて、あなた自身も亡霊みたいなものだなんて…やっぱり言えなかった」

ヒロイン「それに…結局同じだもの。どう足掻いても、勇者は魔王への復讐という使命からは逃れられない…私がどんなに止めたって、いつも魔王を倒す為に旅立っていったわ。私1人の思いが、世界中の人達の思いに叶う訳なんかないもんね…」

勇者「…苦しかったよな。辛かったよな。それがどれ程のものか、俺には想像もつかないけど…ヒロイン、本当にごめん…」

ヒロイン「…私も謝らなきゃいけない事があるるの」

勇者「…ヒロインが俺に?」

ヒロイン「さっき言ったよね?蘇った勇者は元の勇者に比べて力が半減していて、魔王の側近に殺されちゃったって」

勇者「ああ…うん」

ヒロイン「その側近…サキュバスは王都に続く雪原を支配していたの。だから勇者はいつもそこで戦いに負けて死んでいたんだけど…」

ヒロイン「前回はそうじゃなかった。ただ運が良かったのか、それともあなたの力が転生を繰り返す中で増してきたのか…なんとサキュバスを倒す事に成功したの」

勇者「…あれ?でも俺がまたここにいるって事は、その1つ前の俺も死んだんだよな?魔王に殺されたのか?」

ヒロイン「…私が殺したの」

勇者「な…っ?!」

ヒロイン「…今の勇者は魔王への復讐の為に生まれた存在…魔王をもし倒せてしまったら、恐らく成仏してしまうはず…」

ヒロイン「私は1人になりたくなかった。あなたのいない世界に取り残されて、永遠の孤独を味わうなんて…そんなの耐えられない」

ヒロイン「だから…殺したの。またこの村から、同じ茶番を始める為に」

勇者「…そんな…」

ヒロイン「だから謝らなきゃ…ごめんなさい」

勇者「…どうして今回は真実を話してくれたんだ?今までずっと隠し続けてきたんだろ?」

ヒロイン「…嬉しかったから」

勇者「え…?」

ヒロイン「さっき勇者、言ったよね?大切な人に裏切られたような痛みが、胸の中にあるって」

勇者「ああ…」

ヒロイン「いつもは前の勇者の記憶なんて何1つ残ってなかったのに…私に殺された事がよっぽど悲しかったんだよね、ごめんね…」

ヒロイン「でも私、それが嬉しくて…私の事、初めて少しでも覚えててくれたから…」

勇者「ヒロイン…」

ヒロイン「だから…話してみようかなって。私に殺された事を知った勇者は、私にどんな顔をするのかなって…」

勇者「…もうどんな顔をしていいかわからないよ。でも…俺にヒロインを責める権利はない。俺のたった1度の苦しみなんて、ヒロインの苦しみにくらべたら…」

ヒロイン「…ねぇ、勇者はどうしたい?この絶望しかない世界で私と生き続けたい?それとも…」

勇者「俺は…」


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