過去ログ - 勇者「それでも俺は魔王を倒す」ヒロイン「言うと思った」
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◆x.6zTnwIjo
[saga]
2014/08/11(月) 12:16:40.17 ID:ZbuWHB4fO
【雪原】
勇者「すごい雪だな…」
ヒロイン「そうだね」
勇者「…寒くないのか?」
ヒロイン「…私には殆ど痛覚がないから」
勇者「……」
勇者「…魔王に勝てるのかな」
ヒロイン「どうして私に聞くの?」
勇者「俺はまだ、魔王がどんな奴かも知らないからさ…3人掛かりでも勝てなかったんだろ?」
ヒロイン「あの時とは状況が違うわ。私1人の攻撃じゃ魔王の再生能力を上回れないだけで、私だけでも負ける事はないんだから」
勇者「でもさ、それならどうしてサキュバスにいつも負けていたんだ?」
ヒロイン「…最初は本当に勝てなかったの。勇者の力も元に比べて半減していたし、元々私は回復魔法が専門の非戦闘員だったから」
ヒロイン「長い時の中で私も戦えるようになったけど、その時にはもう世界はボロボロの状態で…魔王を倒す意味も見失っていたっていうか…」
ヒロイン「…ううん、こんなのただの言い訳だね。私は1人になるのが怖かった…それだけの為に、あなたを見殺しにしてきたの」
勇者「…いいさ。そのまま仮に魔王を倒せたとしても、その時の俺は何も知らなかったんだろ?今回初めて、ヒロインからこの世界の真実を聞く事ができたみたいだし」
ヒロイン「…真実を知る事ができて良かったと思っているの?」
勇者「…どうかな。でも、ヒロイン1人に全て押し付けて、俺は何も知らずに幻の世界で英雄気取り…それはあんまりだと思うから」
ヒロイン「…優しいね」
勇者「やめてくれよ、せめてもの償い…とでも言えばいいかな」
ヒロイン「…どう返事をしていいかわからないよ」
勇者「……」
ヒロイン「…そんな事より、王都が見えたわ」
勇者「あ、ああ…」
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