過去ログ - トール「前と、後ろ。どっちがいい?」フィアンマ「どっち、も」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/09/03(水) 23:29:40.72 ID:/CJmY84l0
目的通り飛行機に飛び込んだ訳だが、どうにも様子がおかしい。
乗客の姿が見当たらないどころか、音一つない。
墜落していく様子はないことから、操縦者はいるのだろうが。
乗客だけ緊急脱出させたというのなら、手間が省ける。
「……呪符?」
人に呪いをかける際に用いる代物。
ベージュの紙に綴られた言葉に、トールは眉を顰める。
手を伸ばして拾い上げてみると、意外にも魔力は通されていない。
そして、その紙のようなものは。
・・・・・・・・・・・・・・
ほんのりと人肌程度に温かい。
「いや、違う…これは、」
「お気づきのようで」
振り返った先には、ほっそりとした美女が立っている。
ところどころ露出のある改造修道服のようなものは、いっそパーティードレスのようだった。
にこにこと浮かべた笑みからは、悪意しか感じられない。美しく、醜悪な笑顔。
「丁寧に『潰して』『畳んで』『書き込んで』、既に『救う』準備を済ませておきました。
貴方を呼び込んだ覚えはないのですが、突然の来客をももてなすのが礼儀というものでしょう」
一足遅かった。
否、まだ間に合うというべきなのか。
乗客達は生きた呪符にされただけで、自発呼吸は行えている。
魔術的な手段でならば、救える道が残っているかもしれない。
しかし、この状況では大仰な技や力押しは使えない。
人間の形をした乗客を守るのと、ぺらぺらの紙切れ何十枚を守るのとでは、戦い方が変わってくる。
だからといって、攻撃をしない訳にはいかない。
トールは戦闘に際して実に久方ぶりに手袋を外した。
そして、化粧の濃い女を静かに見据える。
「飛行機に乗り物酔いは仕方がねえことだし、喧嘩に顔面崩壊は付き物だ。
別に元々綺麗な顔はしてねえみたいだしさ、多少潰れちまっても問題はねえよな?」
「―――誰が綺麗な顔じゃないって?」
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