過去ログ - トール「前と、後ろ。どっちがいい?」フィアンマ「どっち、も」
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28: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/09/03(水) 23:30:20.36 ID:/CJmY84l0

ジャンボジェット機というものはよくわからない。

フィアンマは右往左往としながら、トールを探していた。
トールが飛び込んだのは二階部、フィアンマの現在地は一階部である。
もちろん、階段を上がらなければ見つかるはずもなく。

「……乗客が見当たらんな」

空席ばかりだったのか、などとのんきな事を考えながら歩みを進め。
視界に入ったベージュ色の紙に、フィアンマは首を傾げた。

「…ん?」

気にかかる。
トールを探すのが先決だと考えていたが、こちらを優先にすべきか。
座席に近寄り、呪符もどきを拾い上げてみる。
僅かに生暖かい『それ』の本体に気づき涙目になりながらも、フィアンマは深呼吸する。

これは人助けではないし、自分が選んだことでもない。
乗客の命を優先に、と言いだしたのはトールなのだから。

そう自分に言い聞かせ、懐からチョークを取り出した。
時折揺れる飛行機に転びそうになりつつ、魔術記号と円を壁に描いていく。
ありとあらゆるものを『区切る』儀式魔術を得意とするフィアンマにとって、『元に戻す』ことは難しくない。
壺が割れてしまったのなら、破片を溶かして新しい壺を造ってしまえば良い。
流石に人体ともなるとそう簡単な理屈ではいけないので、多少は自分の頭で考えることになる。

「……見られると説明が面倒になるな。ひとまず身体だけ元に戻しておこう」

丁寧に一人ずつ修復していきながら、フィアンマは階段を発見して。

(……おや。…乗ってくる階を間違えた…?)

一人、今更ながら気づくのだった。


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