過去ログ - トール「前と、後ろ。どっちがいい?」フィアンマ「どっち、も」
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32: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/09/03(水) 23:33:33.81 ID:/CJmY84l0

今夜のことは、俺達だけの秘密だ。
お前は悪くなかったんだ。全部忘れてしまえばいい。

甘い囁きが聞こえる。
自分のせいだったのだと抱え込もうとする度に、思い出す。
沢山の人が死んで、生き残ってしまったあの日。
どうして自分が生き残ったのか、知ってしまった時に言われた言葉だった。

あれからもう、何も思い出せない。

ただ、大きな事故が遭ったんだ。
酷い事故で、偶発的な魔術が原因で、だから誰も悪くなかったんだ。

そういうことにしておこう。どうせ、誰にもわからない。
生き残ったのは俺達だけで、真実なんていくらでも変えられる。
だから、お前が一番傷つかない『事実』が現実なんだと、そういうことにしよう。







(……柔らかい)

犬猫を飼った覚えはないのだが。

さらさらつやつやとした何かを触りつつ、フィアンマは目を覚ました。
覚ました、とはいっても半覚醒状態なので、意識朦朧としている。

「……?」

視線を少し上げてみた。
トールの顔があった。まだ寝ているようだ。
撫でていたのは彼の長髪らしい。

「…………?」

寒さからか、ベッドに入り込んでしまったようだ。恐らくは自分の方が。
何分意識が朦朧としていて、フィアンマの思考回路はきちんと働かない。
もうこのままでいいか、とぬくぬくしながら彼は再び目を閉じた。


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