過去ログ - 絵里「遠くの親類より近くの他人」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/08/18(月) 05:58:36.61 ID:rARV+jsx0


次の日。

絵里が買い物から家に帰ってきたとき、ルンバくんは懸命に床を磨いていた。
何度も壁に頭を打ちつけながら懸命に床を磨く姿に、絵里は彼が愛しくてたまらなくなった。

ところが、「御苦労さま」と絵里が声をかけると、それまで一心不乱に掃除していたルンバくんは、
『べ、べつにお前のためにやったわけじゃねーし』と言いながらそそくさと充電器に戻るのだ。

ツンデレである。
そんな時、絵里は決まってふて寝するルンバくんを充電器から引っこ抜いて抱きしめるのだった。


絵里がテレビを見ている間も、料理を作っている間も、ルンバくんは静かにじっとしていた。
彼が次に目を覚ましたのは、絵里が夕飯を食べ終え、風呂に入ろうとした時だった。
居間から出て洗面所に向かおうとすると、扉の向こうでルンバくんの声がするのである。

『あいつがいないうちに、ちゃんとやっておかないとな』

ギュイイ、とけたたましい駆動音を轟かせておきながら、彼はこっそりと掃除をしているつもりなのだ。


素直じゃないんだから。


そんな姿もまた、いじらしかった。


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