過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/21(木) 05:35:25.91 ID:DImNb6JAO
満月が南中に登り、その姿を僅かに隠す雲が霞のように流れている。
夜更かしは美容の大敵と公言して憚らない自分も、この時ばかりはついつい寝床から身体を起こし窓に寄るのだ。
時計の針は綺麗に真上を指している。辺りは静かなもので、波の音だけが耳をくすぐっていた。
叢雲「…………」
艤装を解除し寝間義に着替えると、力こそ弱まるものの、いつもは取れない体勢を取りやすい。
例えば窓の縁に腰掛け、背を預けながら見上げるような……今まさに行っている体勢などが最たるものか。
左手側には、並んだ布団にくるまって寝る特型駆逐艦の艦娘達。
姉、と意識したことは余りないが、自分の姉妹に当たる艦娘達が安らいだ顔で各々眠りについていた。
叢雲「……?」
――ふと、何かを感じて腰を上げる。
考えが巡る前に立ち上がったものだから、何を感じたのか、少し思案を交えたのは内緒だ。
そしてそれは、音の波の中で微かに響いているそれだと理解した。硬い球が跳ね回る、あの音だ。
彼だ。いや、もうこの際奴だ。またあの場所にいる。こんな遅くに、きっと独りで。
またか。内心愚痴る。でも知ってしまったからには行かねばならない。
必要は無いし要求もされていない。でもそうしないと自分の気が済まないのだ。何故? ……何となく。
義理みたいなものだし。か、勘違いしないでよね。誰にともなくそう告げた。
吹雪「えへへぇ……」
叢雲(蹴り飛ばしたい、この寝顔)
そうこうしている内に歩き出す。人の苦労も知らず、にやけ顔で寝ている吹雪を蹴っ飛ばさないよう……故意、過失両方の意味で……注意して、部屋を出た。
向かいの部屋で「ねのこくだよぉ!」と聞こえたのは気のせい、もしくは寝言だろう。
少しざわつく初春型の部屋を無視しつつ、軋む廊下を早足で抜けて、彼の元へ急いだ。
この鎮守府の提督にして、私を最初の艦娘に迎えた、異邦人の下へ。
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