過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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191: ◆WHzNz9zb1A[sage]
2015/05/05(火) 01:07:11.97 ID:wKWZysDAO
大淀「ではエーカー少佐、叢雲さん。私に付いてきてください」

グラハム「世話になります」

大淀「仕事ですから、はい」


 ――そうして、大淀に連れられ一行は退出していく。
 段ボールが山積みとなった滑車をケンペイが押す音が遠退いてから、ジャマイカンは深々と椅子に身体を預けた。

 軋む音が、二人のいる部屋に静かに広がる。
 誰一人にも悟られず、いつの間にか入り口に立つマリダ中尉。
 ジャマイカンは視線を向けず、口を開く。その顔は、どこか懐かしむように穏やかだった。


ジャマイカン「これで良かったのだな、クルス中佐」

マリダ「今はマリダ中尉です、中将」

マリダ「彼への便宜、重ねて御礼申し上げます。ご助力無ければ、彼の提督生活はロウソク・ビフォア・ザ・ウィンドであったことでしょう」

ジャマイカン「止めろ。無能の飼い殺しが好かんのは真意だ」

ジャマイカン「だが、やはりまだ気になるか。あの壱百八鎮守府……お前の鎮守府が。」

マリダ「……もはや、戻れぬ日々です。未練などありません」

マリダ「ですが彼ならばもしくはと……そう思うのは感傷でしょうか」

ジャマイカン「……どうだか。素養はあるのだろうが、お前ほどかはまだ分からん」

ジャマイカン「しかしな……まさか、本当にあの男の言っていた通りのことになるとは」

マリダ「よく似ています。口調や性格はまるで違いますが……生き様は、瓜二つかと」

ジャマイカン「あぁ……子は、親に似るか……」


 机の引き出しから、一枚の写真を取り出す。
 集合写真なのだろう、何人もの提督が列を作り、枠の中に写し出されている。
 その中には、今より少し若いジャマイカンと、緊張気味の笑みを浮かべるマリダ中尉の軍装姿も見える。
 そして、彼らの話す、【彼】の姿も。


ジャマイカン「もう戻れんのだ……今更だよ、今更……」


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