過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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◆WHzNz9zb1A
[sage]
2015/08/04(火) 03:16:08.60 ID:kpdyAUcAO
あきつ丸の探照灯の調節弱光に照らされたマリダのメンポには、まるで金属のような鈍い光沢と【憲】【兵】の威圧的な二文字が刻まれていた。
しかし、すぐに波が引くかのようにそれは元の布の質感と表面に戻っていく。
それは言わばマリダの戦闘形態、ケンペイ装束にカラテが満ちた証拠であった。
あきつ丸「……………………照合したのであります。横須賀憲兵隊第八分署のトランプ=サンです」
マリダ「ほう、艦娘への不正セクハラ行為の余罪追及を拒み脱走した元人粋派閥ケンペイだな」
マリダ「こんなところでうろついていたということは、再就職を奴らに打診していたか? ならば重畳」
呻くサンドージュを縛り上げながら、マリダは無表情のままだった。
今や大規模な再編と内部監査により、多くの悪しきケンペイがヨタモノやヤクザと化して野に放たれていた。
その大半は数合わせの為に正規のケンペイ養成ドージョーを経ない、半ば短期間の違法薬物や暴力的カラテ鍛錬により生み出された粗製ケンペイであった。
時代や権力の波にも負けず正しき在り方を固持し、憲兵隊としての職務を切々と全うしてきた先達の憲兵達。
そんな彼らをマリダは心の底から尊敬していた。
先達の憲兵隊を侮辱するような、カラテも理念も未熟で邪悪な抜けケンペイ。
マリダの個人的信念とは別にしても、到底許されぬ存在であることは明白であった。
あきつ丸「抜けケンペイの確保は我等の重要案件! だとすればキンボシ・オオキイでありますな!」
マリダ「この程度のカラテしか持ち合わせないサンシタなら、プレア=サンやヨハン=サンに任せても良かったかも知れんが」
あきつ丸「かつての事変の残党がいるかも知れない現状、今回は中尉殿が動かざるを得ない情報量でありました」
マリダ「そうだな、結果が出ただけ由としよう」
あきつ丸「……この六本腕は、本物でありますか?」
マリダ「バイオ・シルク・ジツによるクグツめいた操作だ。これを活かしたカラテでも身に付けていれば、多少は違ったろうにな」
あきつ丸「そうなったら、中尉殿はどのように対処されましたか?」
マリダ「全部引きちぎる」
あきつ丸「アイエエエ……」
コワイ!
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