過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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◆WHzNz9zb1A
2014/08/21(木) 07:30:08.45 ID:DImNb6JAO
叢雲「ねえ」
グラハム「ん?」
叢雲「恋しいの? 元の世界が」
本当に、何気のない一言だった。
だが完全に的中したのだろうか、彼の目は見開かれ、その表情は驚愕の一言で表せるものに変わっていた。
図星、ね。
自身の驚きを少し取り繕うように顔を逸らして呟いた。
彼は自嘲気味に笑い、顔を上げた。
視線の先の月は、群がる雲に覆われ光を半分失っていた。
グラハム「――自分でも皆目分からんのだ。」
グラハム「私には故郷など無かったし、家族もいなかった。混沌とした情勢も、きっと彼ならば切り抜けただろうという確信がある」
グラハム「未練は無い。無いはずだ……思いつかないのだからな」
グラハム「だが……ふと過去を思い返していると、もし、と考えてしまう自分がいることに気付いて、な」
叢雲「だから、此処に来たのね? いつも悩んだり溜め込んだりしたら来ていた、この場所へ」
グラハム「ふっ、最近は全く足を運ばなかったがな」
叢雲「はぁ……いい加減お悩み相談の役目を譲り渡せたと思ってたのだけれど」
叢雲「ま、しょうがないか……内容が内容だもの。他の子には荷が重いわよね」
グラハム「元々、元の世界を懐かしむ程度の目的で作った場所だ。だが……裏目だったかも知れん」
グラハム「ますます……考えが纏まらなくなった……ッ!」
また湧き上がってきた感情を払うように、彼は遙か遠くのゴールポストにボールを投げつけた。
当たり前だが届きはしない。ボールは地面に当たって数度跳ね、最後には力無く転がりながら、鎮守府の壁に寄り添うように止まった。
グラハム「なぁ……私はどうすれば良いのかな? 叢雲」
叢雲「……それを決められるのはあんた自身よ、グラハム」
そうだ、彼はいつだってそうしてきた。
初めて出逢った、あの時から――――
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――時は遡る――
――二人が出逢ったその日まで――
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