過去ログ - 【Fate】君達が紡ぐやる夫の物語【安価とコンマで聖杯戦争】 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】君達が紡ぐやる夫の物語【安価とコンマで聖杯戦争】

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982:1 ◆JwraddSSjo[saga]
2014/08/27(水) 17:37:09.71 ID:0NdPm4jro

そこでようやく式が動きを見せる。

徐々に桜の元へとどこまでも雅な所作で歩を進めて、桜の前で膝を折って向かい合う形になる。

そして手に持っていたナイフで桜の躯、目掛けて一閃させた。

アサシンは息を呑んだ。息を呑んで、それで自分の短躯が影から解放されたのを知った。

今度こそ自由の利く足で必死に『オカアサン』の元に駆けて、式に目掛けて同じようにナイフを振るおうとした所で、貴方の打刀がそれを静かに受け止めた。

貴方「―――式は君の言う『オカアサン』を悪いようにしないんだ。だから静かに見守ろうか」

優しく言い聞かせるように言って、そしてその言葉でアサシンはナイフを下ろした。

アサシン「ほんとう？」

何処までも純粋なアサシンの視線を受けても貴方は微笑みを止めずに言った。

貴方「ほんとうさ。それに式は『オカアサン』を救うはずだからね」

アサシン「ほんとう！？」

今度は力強いアサシンの問いにゆっくりと頷いた。

貴方「だから見ていよう？」

アサシン「うん！わたしたちは見る！」

影から解放されて、アサシンを現世に縛るものはなくなっている。躰を魔力の霧に溶かしながらも、それでもアサシンは『オカアサン』の為に動いた。

―――もしかすれば。『オカアサン』を護るので必死になって、それすらも分からなくなっていたのかもしれない。

貴方は故に止めた。式ならば白髪の少女を悪いようにはしないと思って。

最後の最後に白髪の少女と、このマスター想いの優しくも強いアサシンを救うと願って。

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