49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 16:16:09.10 ID:ZhA2i8PA0
先生がバックミラー越しにこちらを見ているのが分かった。
その視線から逃れるように、私はフロントドアの方へ体を向ける。
『お仕事中だった?』
「大丈夫だよ」
『今日、夕方から雨が降るのに合羽忘れてたでしょ? だから、合羽を持っていこうと思って』
「そうだったのか、わざわざありがとう。大丈夫、事業所のビニール傘を借りて行くよ」
『でも、他の方が忘れてしまった時のものでしょう? お家から近いんだし、それにもう、事業所の入り口まで来てしまったわ。あ、佐々木さんがこちらに手を振ってる』
母は笑いながら言った。
「なんだって」
『電話する時間があるなら、抜けれそうね? 待っているわ』
「ああ、待ってくれ」
からかう母に、私は頭を回転させる。
「今、外に出てるんだ。だから、今日も帰るのが遅くなってしまう。大丈夫、走って帰るよ」
『何子どもみたいな事言ってるの? だめよ、明日デートなのに。風邪を引いてしまったらどうするの』
「……ああ、そうだね。分かった、すまないけれど佐々木に渡してもらえないか?」
『よろしい。じゃあ、佐々木さんから受け取ってね』
「ありがとう」
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