51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 18:22:01.80 ID:ZhA2i8PA0
 「何か?」 
  
 「今の、お母さんなのでしょう?」 
  
 「そうですね」 
  
 「……あなたの叔母さんから、まだ混乱しているというのは伺ってはいたのですが」 
  
 「はい、母は混乱しているだけです。叔母はあまり詳しくは言いたがらないので、学校へもまだ伝えてはいなかったのですが、母の中では父はまだ生きています」 
  
 「いつも、そうやってお父さんの真似を?」 
  
 「ええ」 
  
 「そうですか……」 
  
 「柏木先生、そこの電柱の前で止まってください。左手のブロック塀に囲まれているのが私の家です」 
  
 先生は多少ぎこちなくハンドルを握り直して、ブレーキを踏んだ。 
  
 「ありがとうございます」 
  
 「かまいません」 
  
 私は一礼して、シートベルトを外した。 
  
 「混乱させてしまって、すいません」 
  
 「みどりさん」 
  
 「はい」 
  
 先生はさらさらと自分の携帯番号をメモ帳に書いて、私の手に握らせた。 
  
 「困ったことがあれば連絡を」 
  
 「大丈夫です。それに、他の生徒に対して平等に欠けます」 
  
 私はそれを付き返す。 
  
 「登録しておいてください」 
  
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