36:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/25(月) 23:46:16.64 ID:HDd5UF4lO
キョガクの家からそれほどかからず、森の奥にたどり着いた。
木の葉はまだ、調査には来ていないらしい。
俺は血まみれの地面に目を凝らした。
すると、ゼリー状に固まった血液を見つけることができた。
専門ではないのでよく分からないが、毒物による反応で凝固したものらしかった。
もし、この毒に木の葉の監察医が気づいていたら、俺が殺した訳じゃないと証明されるだろうか。
あまり期待はせず、ポケットから別の小瓶を取りだし、血のゼリーをいれて封をした。
あの男の行方については、一応パックン達を呼び出して、においをたどってもらった。
だが、そう簡単に行方は分からなかった。
「一体なにがあったんだ」
パックン達はさっきの騒動を途中まで見守っていたそうだ。
口寄せを解いていなかったことを思い出した。
「ずっと森にいたのか?」
「いいや。お前達が死体を抱えていくのを見送って、帰らせてもらった」
「そりゃそうだよな。ごめん」
「そんなことより、大丈夫なのか?」
かなり追い詰められていたようだが、とパックンが言った。
俺は本当のことを話した。
「俺は復讐したことになっているらしい」
全てを聞き終えて、パックンは顔をしかめた。
「バカみたいだな」
俺もそう思う、と答えた。
用事があるというパックンの口寄せは解かずに、俺は忍犬たちと別れた。
オレンジ色に染まり始めた空を見上げ、顔を叩く。
「行くぞ」
慣れない服を見にまといながら、次の手がかりを探しに走った。
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