13: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/08/28(木) 08:03:36.27 ID:QKMul3TQo
そんな顔しなくても、多分今日は二人には飛び火しないから大丈夫よ。
なんて、思いながらそっちを見れば。
残念な事に私の考えは伝わらず慌ててそっぽを向かれた。
「で、じゃあなんの用?」
言いながらも、既になんて帰って来るかは十分わかってる。
「いえ、今日の真姫は練習に今一つ身が入っていないようですので」
言外になにかあったのかと尋ねられてる。
少し首を傾げてこっちを見つめる海未は本人が思っている以上に女の子らしい。
「別に、ただちょっと……家がごたごたしてて、ね」
質問に対して、私は淀みなく用意していた言葉を紡ぐ。
当然嘘。いまさら家の事でどうこう思ったり、表立って思いつめるような事なんてない。
けど、こういう風に言えば。
「そ、そうですか……。すみません」
μ'sの皆に対して私は「これこれこういう訳なのよ」と家の事を語った事はない。
でも、それなりに察してる部分があるみたいで、
少し俯いて声を暗くしながらそんな台詞を吐けば。ほらね? もう、これ以上突っ込めやしない。
「でも、私になにかできることが言ってください」
「ありがとう、海未」
気遣うような声色で、温かい言葉をかけられる。
それに罪悪感を覚えながら、私はできる限り普通に返事をした。
仕方ないもの、こういって話を打ち切らせるしかないじゃない。
本当の事なんて、どうせ言えやしないんだから。
あなたの幼馴染に恋してます、なんて。
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