過去ログ - 女「今日は楽しかったね」男「え!?誰!?何!?」
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◆h/8ygxZQYA
[saga]
2014/08/30(土) 04:05:02.74 ID:oASW+o+k0
意を決し、男が彼女に問い掛けようと口を開く
「あのさ、君って……」
話を始めようとした瞬間、まるで男の言葉を止める様に彼女も口を開いた。
「女ね、ずっとここ来たかったんだ。
でも男君って、人が一杯いる所嫌いでしょ?
だから、今日は一緒に来れて嬉しい」
後ろ向きに歩きながら笑顔で話し掛けてくる。
彼女の笑顔に男の心にはある感情が芽生え始めていた。
『彼女、女って言うんだ……』
この時、男の心は無意識にこのおかしな状況を受け入れていた。
「あっ見て見て。イルカだよ」
マリーナから離れ少し小高い丘の上で二人はベンチに腰を下ろした。
眼下には遠くに広がる港の明かりと、パークの施設が光っている。
彼女はショーが終わり調教を行っている光景を見て、嬉しそうにそちらを指差した。
「本当だ。でもちょっと遠いな……」
目を細め彼女が指差した方を眺める。
その言葉を最後に彼女も男も丘からの夜景を見ながら黙りこんだ。
瞬く星空の下、二人の間に言葉は必要無かった。
彼女と居るだけで心が和んだ、彼女がそこに居るだけで十分だった。
景色を眺めているだけの時間が静かに流れていく。
いつしか男は月の光に照らされた彼女の横顔を見つめていた。
男の視線に気付くと、彼女は恥ずかしそうに手で顔を覆い下を向いた。
「何? 男君。そんな見ないでよー」
彼女の言葉で見つめていた自分に気付く。
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