過去ログ - 律「澪と寄り道して帰る話」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 01:46:03.09 ID:Gqx9SXLWo

 高そうな腕時計を何度も見て舌打ちしている。
 上着を抱えるとトレイを持って出て行こうとする。
 そこに澪が呼びかけた。

「あの、カバン忘れてますよ!」

 おお、
 と調子の外れた声で振り向いたおじさんが、
 澪に頭を何度か下げつつ重そうなカバンを受け取った。
「悪いね、ありがとうね」
 おじさんが照れ笑いをしながら階段へと走っていく。
 入り口で上がってきた若い女の人とぶつかりそうになり、
 またあのとぼけた声で 悪いね って言ってた。

 女の人は腕を組んで寝ている緑チャックの兄ちゃんのテーブルに
 しれっと自分の荷物を置くと、彼にでこぴんを一発食らわせた。
 飛び上がる勢いで立ち上がり、
 まだ寝ぼけた様子で目を何度かこすると、二人で何か言い合って笑ってた。
 女の人のスマホに付いたラブライブのストラップが
 太陽みたいにきらきら輝いてみえて、


 その瞬間、
 私は消えてしまいたいと思った。



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