過去ログ - 律「澪と寄り道して帰る話」
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59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:19:17.51 ID:Gqx9SXLWo


  ◆  ◆  ◆

 まだ眠いの、と聞かれて顔を上げたら自分と目が合った。

 ガラスに映った姿は外の明るさでもう消えかかっていて、
 ろくに眠れてないから死んだような目をしていて、
 本当に幽霊みたいで
 思わずうすら笑いをにじませてしまうその顔がきもい。
 消えろ。
 消えてよ私。

「もうちょっと寝ててもいいよ、新幹線の時間分からないけど。
 あと溶けちゃうよ、フルーリー」

 混じり気ひとつない顔でくすくす笑いながら、
 澪が白いスプーンを私に向けた。
 チョコレートの黒い粉のつぶが混じっていて、なにも考えずに口に含む。
 あまい。
 そこの水コーヒーとは比べるのも失礼なほど、
 本物のとろけるような甘さ。
 今度こそ嘘じゃない。



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