過去ログ - 律「澪と寄り道して帰る話」
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60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:21:30.96 ID:Gqx9SXLWo

 わあ、よく見える、と
 澪が窓の外を見下ろしていた。

 組んでた腕を上げて垂れた髪を耳に流す姿と、
 浮かせた爪先を子どもっぽくぶらつかせる姿が 一枚の絵のようで、
 この人が自分の恋人だって気がしない。たった数日で別人みたいに輝いていた。
 そんな人が、こちらを振り向くだけで、
 ほら、
 胸がおかしくなりそうなほど。

「見てたんだろ」

 母親みたいな声で澪がいう。

「ごめん」

 なんで謝るんだ、といって私の頭に手がふれた。
 手の重さに思わず目を閉じると、
 はずみで乾燥した目がうるみ出しそうになった。



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