過去ログ - エルフが奴隷に堕ちた理由を考えてみたりなど
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/06(土) 18:41:50.15 ID:uMu3uzQDo

「じゃあこんな歌はどうかしら」
 そう言ってエルフが歌い始めたのは少し奇妙なものだった。
 しばらくそれに聞き入って。

以下略



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/06(土) 18:42:17.79 ID:uMu3uzQDo
つづく


53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/06(土) 21:49:33.14 ID:v0XIouJGo
otu


54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:37:56.22 ID:ycxfrRKno

 彼女は歌と言ったが彼にはそれは歌のようには聞こえなかった。
 彼女が小さく開いた口から、節も音程もないかすかな声だけが聞こえてくる。
 優しく耳をくすぐる囁き声だ。
 その言葉の意味は分からない。
以下略



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:38:37.23 ID:ycxfrRKno

 しばらく考えてもわからないので彼は仕方なく歩き出した。
 真っ直ぐ歩いていくと山の連なりが見えてきて、そのふもとの村に突き当たった。
 柵の間を通って中に入ると子供たちが寄ってくる。
「お前どこ行ってたんだよ、心配したぞ」
以下略



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:39:51.70 ID:ycxfrRKno

 彼は駆けていた。
 彼の家に真っ直ぐ駆けていた。
 村の奥の石造りの家がそれだ。

以下略



57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:40:28.74 ID:ycxfrRKno

 彼はゆっくりと夢のことを話した。
「俺と母さんは旅をしてるんだ。この村がだめになっちゃって、あてもなくさまようんだ」
 母はいつもと同じく黙ってそれを聞いている。

以下略



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:42:10.52 ID:ycxfrRKno

 彼は閉じかけた口をなんとか開いた。
「それで俺一人でずっと旅を続けて、大人になって、やっぱり苦労して、お金も少なくて。
 とうとう食料も底を尽きちゃうんだ……」
「それで?」
以下略



59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:43:09.29 ID:ycxfrRKno

「母さんが死んじゃっても?」
「わたしが死んじゃっても」
「……そんなの無理だよ」
 彼はうなだれた。死んでしまったらそばにいたり守ったりすることなんてできない。
以下略



60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:43:57.59 ID:ycxfrRKno

 焚き火から火花が弾けた。
 彼はぼうっとしてそれを見ていた。
 歌はいつの間にか終わっていた。
 いつ終わったのか、彼にはわからなかった。
以下略



61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:44:43.54 ID:ycxfrRKno

「え?」
 エルフの言葉の意味をつかみ損ねて声を漏らす。
 彼女はゆっくりとその場に横になった。
「でも大丈夫。あなたの母親はあなたのそばにいるわ。だってあなた、温かいもの」
以下略



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