過去ログ - エルフが奴隷に堕ちた理由を考えてみたりなど
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 21:30:04.30 ID:q+P0GBGRo

 結局、と彼は自嘲する。
 旅路の果てに気をとられているうちに足元の石につまづくわけか。
 路銀については前々から不安に思ってはいたが打てる手もないままここまで来てしまった。
 現状をひっくり返す何かがない限りそう長くないうちに彼の命は終わる。

 何かないか。天の恵みでも偶然の拾いものでも。
 どんよりとした視線をあたりに振るがめぼしいものは何もなかった。
 あるのは背の低い草が広がるでこぼこした土地と雲り空。それだけ。

 処刑台に向かう者の歩みを、今なら彼は理解できる気がした。
 彼のそれは普通よりも何倍も長いが死を約束されているという点では変わらない。
 上りになった道の一番上に、首をくくる縄が見えたように思った。



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