117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/10/30(木) 01:10:41.59 ID:zmufHibK0
  
 「あああああああああっ!!」 
  
 助ける。助ける。助ける。絶対に。 
  
 手をかけ、渾身の力を込めて、引き剥がす。 
 ついに、全てが暴かれ、心臓のように脈打つ紅い石が見えた。 
 ほとんど一体化しており、周囲の肉が盛り上がり、石を呑み込もうとしている。 
 これを取り除けば、姉さんを助けることができる。きっと、きっと助けられる。 
 指を伸ばし、姉さんの胸元に、一思いに突き立てた。 
  
 !!!!!!!!!!! 
  
 姉さんは、今までとは比べ物にならないほど暴れた。抑え切れない。 
 肉を抉り、紅い石を掴む。手の平の上で転がせそうなほど小さい、こんな石ころに姉さんが支配されたなんて。 
 視界がちらつく、それでもこの手は離さない。力を込めて、一気に引き抜いた。 
 姉さんの身体から、がくんと力が抜けた。 
 終わった。これが正しいことなのかはわからない。でもこれでやっと姉さんを、鎮守府に連れ帰ることが…… 
  
 ……ス 
  
 姉さんが、こちらを見ていた。砲塔がゆっくりとこちらを向く。 
 実際には、全てが一瞬で。 
  
 火薬は炸裂し、海にぱっと赤い花が咲いた。 
  
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