過去ログ - 【咲安価】 京太郎「これがZOIDS…」 憧「これがゾイドよ!京太郎!」3機目
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914:1 ◆g6V0jYwopc[saga]
2014/09/10(水) 00:12:33.72 ID:xXTdHtFuo
宥「…離さないと撃つよ。」チャキッ

宥さんはそう言うと空いている手の方に常備している拳銃を取り出して構える。
そのアイアンサイトは躊躇うことなく俺の頭部を狙っている。手を?いでいるような至近距離だ。
宥さんなら目を瞑っていても当てる事が出来るだろう。
宥さんが引き金を引けば次の瞬間に俺は頭から血をまき散らして絶命するだろう。

…ただ拳銃を向けるその手は触れていなく、目で見ているだけでもひと目でわかる程に大きく震えており拳銃が手の中でカタカタと音すら立てている。
宥さんの顔を見るといつでも命を奪える立場に居る優位性を全く感じさせないような怯えきった表情をしている。その目には涙すら浮かんでいた。


宥「は、離して。…じゃないと本当に撃つ…から…!」プルプル

京太郎「…それで貴方の心が救えるなら。」

俺はそう言うともう片方の大きく震え続けている宥さんの手を取り、強く握りこむ。
そのまま宥さんの手を握りつつ拳銃を構えた手を俺は自身の頭へと密着させる。
そしてそれと同時に繋いだ両手を引っ張り宥さんの俺と比べると小柄な体を引っ張り込み俺の体で宥さんの体を抱きかかえるような体勢にする。


京太郎「そんな震えた手じゃ外しますよ。…ここまで近づければ絶対に外しません。」

宥「っ……あっ……あぁぁ……」カタカタ

京太郎(抱きしめてわかった…。手だけじゃない。体も冷えきっている。…この人は一体何を抱えて…。)

宥「もうやめて…。…こんな温もりを私に与えないで。」

とある理由から人の温もりという点から自ら遠ざかっていた宥にとって京太郎の温もりはまるで、麻薬のような甘美な感覚を与える。
軍服の上とはいえ抱きしめられた全身から、繋いでいる両手から溢れないばかりの京太郎の温もりと宥を思う心が伝わってくる。

それから何分間、あるいは何十分間であろうか、自分でもわからない程の時間が過ぎる。
もしかしたら自覚がないだけで刹那の数秒間なのかもしれない、逆に数時間もの時間を過ごしたのかもしれない。
だが冷えきった心と体に感じたその温もりに抗うことが出来なかった宥にはそれをすぐに自覚する事なんて出来なかった。

いつしか宥は無意識のうちに持っていた拳銃を地面に落として顔を自ら京太郎に埋めて、涙を流し続けていた。
京太郎はその間ただ宥の頭を黙って撫で続けていた。




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