過去ログ - ほむら「修学旅行に行くことになった」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:05:04.29 ID:yr6BPtvA0
潮風が肌を撫でるというのは思ったほど気持ちよいものではなかった。

それどころかぬめっとした空気が纏わりついて不愉快だ。

暁美ほむらが気怠そうに空を仰ぐと、耳元の錘がカランと揺れてさざ波の音に変わっていく。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/31(日) 21:05:53.06 ID:Y1gC4lFDO
こーゆー感じかSS速報


4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:06:01.18 ID:yr6BPtvA0
生まれて初めての修学旅行がどんなものなのだろうという興味は抱いていたが――このざまだ

褒め称えるべき水平線の先にあるもの鼠色の雲が掛り虚ろで何も見えない。

わざわざ茶番に付き合ってここまでやってきたのは無論、太平洋をこの目で見るためでも、海の幸を堪能するためでもない。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:07:13.46 ID:yr6BPtvA0
水辺の埠頭に腰をかけていると、数百メートル離れた旅館から生徒たちの声が聞こえてきた。

あの中にまどかもいる。

それなのにほむらは寂れた波止場で一人所在がなく立ちすくんでいた。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:08:23.43 ID:yr6BPtvA0
どこか見るものを不安にさせるほむらの瞳は、安易に話をしたいと思えるようなものでなかった。

それが今の印象であり、彼女に話しかけるぐらいなら丈の長いスカートで竹刀を担いでいるやさぐれた女生徒に声をかける方がまだマシだという者もいる。

孤高の獣と捉えるものもあれば、無意識に垂れ流している妖気の毒に当てられ目を合わせることも憚られるという者さえ。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:09:49.69 ID:yr6BPtvA0
妄想の中での彼女(まどか)は生き生きしていた。


バスの中で、ほむらの隣に座り窓の外を指をさす。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/08/31(日) 21:10:49.36 ID:sOBSeNWq0
クラスメイトたち
livedoor.blogimg.jp



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:11:17.62 ID:yr6BPtvA0
席決めをしたその時はなんとも思わなかった。

むしろまどかと席が隣になっては厄介だとさえ思っていた。

フラッシュバックを何よりも恐れ、万が一円環の理としての記憶を取り戻すようなことが再び起これば、今度こそ抑えこむことができないかもしれない。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:13:15.30 ID:yr6BPtvA0
初日からどんどん彼女との距離を開けていることを考えれば、隣になって話すことどころか、一言声を交わすことさえ絶望的に思えた。

しかし何らかの何かがあって彼女の隣の席の生徒が休むことになり空席が生まれるという事態が起これば。

――起こればよかったのに。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:15:19.56 ID:yr6BPtvA0
ポツン。

――冷たい。

所在なく空を見上げていると、ぽつり、ぽつりと雨が降り出してきた。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 21:16:34.67 ID:yr6BPtvA0
背中に届く長い髪。左手にはコンビニの袋がぶら下がっていて、チョコの棒を加えながら器用に喋る。


「入るかい?」

以下略



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