44: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 22:28:02.90 ID:UDVM4aPw0
再び、しばしの沈黙が流れた。
言い回しにどこか引っかかるものがあるが、殺人鬼が消え去るのなら、それは世界にとって喜ばしい。そのはずだ。
しかし、沈黙を破ったわたしの言葉は、自分でも信じられない内容だった。
「いいんじゃないですか。人を殺さないジェノサイダー翔が存在しても」このまま人殺しをしないのであれば、こんな人間が存在するのも悪くない、頭を過ぎったそんな思いを、そのままに言葉にしてしまっていた。
ジェノサイダーがこれまで犯した罪を償わなくてはいけない、という倫理を、完全に無視した意見であることに言った後で気づくが、そもそも、わたしはこの殺人鬼に助けられてしまったのだから仕方がない、と、頭の中で開き直る。
「もしかしたら、ほら、あなたの才能は、人を殺すためのものじゃないかも」自分でも、よく解らない言葉をしどろもどろに添えた。
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