過去ログ - 苗木こまる「雨はハレ」
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76: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:11:55.82 ID:UDVM4aPw0

「あなたは、これからは、殺人鬼を殺すんですか?」

「そうね。殺人鬼から、殺人鬼殺しに転向よ。人を殺せないんなら、殺人鬼を殺せばいいじゃない」マリー・アントワネットよりもネジの飛んだ理論だ。

以下略



77: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:12:45.03 ID:UDVM4aPw0

「そろそろ行くわ。こまぴーも早くずらからないと、面倒くせえことになるわよ」彼女は、とんとん、と靴の爪先で床を叩いた。

「わたしは、ちょっと、ええと」

以下略



78: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:15:10.10 ID:UDVM4aPw0

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 雨男が死んだ日から、それなりに時間が経ったが、流石にまだ落ち着かない日が続いている。
以下略



79: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:16:30.08 ID:UDVM4aPw0

 予想通り、その後は凄まじい騒ぎになった。当然だ。現場の物証や家宅捜索の結果から、あの死者が放火魔であることも、雨男であることも、すぐさま断定された。百貨店の火災が放火によるもので、しかも火を点けたのが連続殺人犯。更にその殺人犯が学生。天地がひっくり返ったような狂騒となるのも当然と言える。
 しかし、わたしは真実を目の前に見ていた為に、世間と違う驚きを味わうこととなった。
 ジェノサイダーの凶行について、一切の報道がなされなかったのだ。



80: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:17:20.64 ID:UDVM4aPw0

 雨男は、一酸化炭素中毒により死んだこととなっていた。どんな検死を行ったとしても、あの惨殺死体が中毒死の死体となるわけがない。雨男が火を放つところを見ていた客が二人いて、その内の一人が通報した為、その現場に最初に踏み込んだのは、雨男を捕まえようとそこら中にいた警察だったらしい。悪戯に混乱を招かないための情報統制だろう。確かに、これで周辺住民の恐怖には終止符が打たれた。



81: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:18:08.98 ID:UDVM4aPw0

 正体が学生であったことや、その不可解な放火と死の話題がニュースでは持ち切りとなり、特番がいくつも組まれた。
 学校に取材に来る報道機関は後を立たないし、あの友人の母親がモザイク越しに泣いている姿がテレビに映る日が続き、うんざりした。



82: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:19:21.95 ID:UDVM4aPw0

 学校から帰りテレビを点けると、今日もまた、雨男事件についての討論番組がやっていて、即座に消した。
 大きく溜息を吐いて、ソファーに寝転がる。

「おかえり。着替えてきなさい。制服で寝ないの」
以下略



83: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:20:28.13 ID:UDVM4aPw0

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 またも、この部屋でジェノサイダーと二人きりになるとは。
以下略



84: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:21:06.46 ID:UDVM4aPw0

「細かいことはいいのよ。とにかくイケメンなのよイケメン。なおかつ、お金持ちで、頭脳明晰で、その上眼鏡ときてんのよ」ジェノサイダーは、徐々に手を広げながら熱弁する。

「はあ。そんなに凄い人なんですか」

以下略



85: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:22:03.55 ID:UDVM4aPw0

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 結局、ジェノサイダーは喋るだけ喋って、帰って行った。その内容はマイダーリンなる男子のことやら、好みの男子のタイプやら、くだらないことばかりだった。
以下略



86: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 23:23:53.42 ID:UDVM4aPw0

「変なこと言わないで下さいよ。誰ですか、あいつって」

「アタシを負かした奴よ」

以下略



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