過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
1- 20
120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:11:28.79 ID:cp5pogPl0
勇者は、魔王の前に対峙する。

勇者「このシュチエーションは何度目だろうな?」

 玉座に座った魔王に対して、勇者はうんざりした様子で言った。

魔王「もう忘れたよ、勇者」

 魔王は、どこか疲れたように答える。

魔王「何度繰り返す気だ? お前もわかっているんだろう?」

勇者「…ああ、わかっている、こっちの作戦がバレバレのことも…お前が手加減していたことも…な」

 世界中の人間の魔力を集める、この作戦の性質上、情報の漏えいは避けられない。

魔王「……余が、どれほど手心を加えていたか、わからん貴様ではあるまい」

勇者「それはどうだろうな、その伸びしろを超えると俺は踏んだからこそ、ここに立っているわけだが」

魔王「……余は、今まで人型で戦ってきた」

勇者「…」

魔王「この人型でいるだけで、余の魔力は、100分の1に抑えられている」

勇者「……ほう、そりゃすごい」

魔王「……しかし、魔結界がここまでこの世界を犯している現状、もはや真の姿になろうとも、この世界は耐えられる。 この意味が分からぬ貴様ではあるまい」

勇者「殺さないよう手加減されていた上、100倍か、…まいったね」

魔王「さらに言えば貴様の策とやらも、死ねば死ぬほど不利になる、違うか?」

勇者「……はは、その通り」

 この方法では、何度も魔力を供給できるわけではない。

 それは、人間の信仰心の問題が、大きくかかわってくるからだ。

 誰が何度も無償で自分の魔力を渡すというのだろう。

 命令すれば、不可能ではない、しかし命令を繰り返すたび不審は深まり、やがて女神の信仰を捨てる者も現れるだろう。

 つまり、負ければ負けるほどジリ貧になる。

勇者「ずいぶんと、人間を研究してるじゃないか」

魔王「…殺せば弱体化してゆくのだ、余の手心も期待できぬぞ、それでもやるというのか?」

勇者「……勝率は、10パーセントってとこかな」

 この時点ですでに、魔王の能力が想定の10倍である

魔王「……まだ何か、余の知らない策がありそうだな」

 先ほどからの勇者の軽い返答に眉を寄せながら、魔王が言った。

勇者「さぁ、どうだろうな?」

 勇者は、肩をすくめて見せる。

魔王「……おしゃべりが過ぎた」

 思いのほか長く会話をしてしまったことに、魔王は違和感を感じながら立ち上がる。

魔王(余は…敵と何をこんなにしゃべっているのだ)

勇者「……」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
194Res/182.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice