過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/03(水) 21:52:17.05 ID:0i+UKr460
……

「ぴー、ぴー」

「そう怖がるなよ、友達になろう」


……

「ぴー」

「いて、ははは、かみついてくるとは、いい度胸だ」


「ぴーっ!」

「いててて、このやろう」



……


「ぴー」

「そんな顔するな、すぐ戻ってくるから」

「ピー…」

「馬車の事、たのんだぞ」

……ピィ 

勇者「……」

 囁きかけるような鳴き声に、勇者はぼんやりと目を開ける。

 目の前、青い体のスライムがいる。

勇者(スラきち…)

 こんなところまで来たのか……

 体中の筋を削がれ、もはや動くことすら出来ない勇者。

スラきち「ぴぃ」

 スライムは、悲しそうな顔でこちらを見る。

 捕まって……どれくらいたった……みんなは……

 久しぶりに見た仲間の姿に、勇者は心にわずかな余裕を取り戻していた。

 勇者になってから出会った友達……、まだ魔王の事も、魔物の事もよくわかってなかった頃。

 その見た目のかわいさと、負けん気の強そうな目に惹かれ、つい構っていたら、仲間になった、唯一の魔物。 そして女神の加護を受けた魔物でもある。

 しかしスライムにおける女神の加護の伸びしろは人ほど長くはなかったらしく、俺たちが成長を続ける中、早期にスラきちの成長の限界は訪れてしまった。

 そこらの魔物には負けないだろうが、音速戦闘が行えるレベルに達する事はなかった。

 だけど

勇者(今の俺を殺せる攻撃力くらいは……ある)

 勇者は、目で訴える。

スラきち「……」

 スラきちは、黙って勇者を見つめた。

 勇者とスライムは、しばらくお互いを見つめ合った。

 そして

 スライムの牙が、勇者の喉を食いちぎった。




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