過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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[sage]
2014/09/03(水) 00:12:13.60 ID:0i+UKr460
勇者「魔王……っ」
魔王城、魔王の間。 勇者は目の前、王座に鎮座する男を鋭く睨みつけた。
魔王「我の配下を次々屠り、ついにここまで辿りつたと思うと、感慨深いものがあるな」
魔王は、穏やかな口調でいった。一見すると黒髪長身の若い男にしか見えない。
しかし、勇者にはわかった。この男から発せられる禍々しい魔翌力が、目の前の存在が間違いなく魔王であると告げていた。
僧侶「勇者さま……」
勇者と同様、魔王の気に感づいたのか、彼女は冷や汗をかきながら勇者を呼んだ
僧侶「あの者は、今までに感じたことのないほどの力を感じます、ご用心を」
勇者「言われるまでもねーよ」
戦士「さっさとやっちまおうぜ」
戦士は筋肉隆々の腕に握られた斧を担ぎ、構えを完成させる。
魔法使い「援護は任せて」
彼女も小ぶりな杖を構え、いつでも戦える体制だ。
魔王「頼もしい仲間だな」
魔王の言葉に、皆がプレッシャーを感じる、ただその口から発せられる言葉だけでも、並みの人間なら意識を刈り取られていただろう。
魔王「だがな勇者、余は知っているぞ、貴様らが余を前にして勇敢に戦える理由をな」
勇者「…なんだと?」
魔王「ふふ、余がただ、何もせず貴様らが来るのを待っているとおもっていたのか?」
魔王「その貴様らの希望が、地獄であったことを教えてやろう」
魔王は、顔に微笑を浮かべると、王座から腰を上げた。
勇者「くるぞっ!!」
――仮に、この場に、村人がいたとしよう。その村人の目には、魔王が席を立った瞬間、勇者一行と魔王がその場から消えたように見えただろう。
次に起こるのは、爆炎と粉塵、しかしその粉塵も刹那の間に切り裂かれ霧散する。
魔王の間には今、常人ならかすっただけでも致命傷になりうる暴力が錯綜していた。
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