過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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[saga]
2014/09/04(木) 20:46:08.91 ID:lZn7fQPP0
教会に、戦士と魔法使いの姿はなかった。
神官に僧侶のことを託し、勇者は教会を出る。
司祭「もういくつもりか?」
教会の壁に身を預け、腕を組んだ司祭が、勇者の背中に語りかける。
勇者「…司祭……妹のことは……すまなかった」
司祭「よせ、あいつも望んでいった旅だ。 お前の所為じゃない」
勇者「……でも」
司祭「そんな事よりも、ほんとに今すぐ行くつもりなのか?」
勇者「…ああ、戦士と魔法使い…スラきちを助けないと」
司祭「…俺も手を貸すか?」
勇者「……いや、確かにお前も、加護を持ってるけど……お前の加護のレベルじゃ、正直足手まといにしかならない」
司祭「正直に言ってくれるな」
勇者「…すまん」
司祭「ほら」
司祭は一振りの剣を勇者に投げ渡す。
勇者「!」
司祭「この国の名工が勇者のために打った剣だ、伝説の剣には及ばないだろうが、下手な剣よりはましだろ」
勇者「…恩に着る」
司祭「あの二人も、俺たちの幼馴染であり、友達だ、頼むぞ」
勇者「ああ、必ず助けてみせる……女神様は無意味な試練を与えない。 今までだって何度もピンチは経験してる。 それを乗り越えるたびに俺達は強くなった。今回だって同じさ」
勇者は微笑し、剣を背負うと、転移魔法を唱えた。
勇者の体が浮き上がり、すさまじい加速とともに空を翔けていった。
司祭「……女神様……どうか……ご加護を……」
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