過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/04(木) 20:46:08.91 ID:lZn7fQPP0


 教会に、戦士と魔法使いの姿はなかった。

 神官に僧侶のことを託し、勇者は教会を出る。

司祭「もういくつもりか?」

 教会の壁に身を預け、腕を組んだ司祭が、勇者の背中に語りかける。

勇者「…司祭……妹のことは……すまなかった」

司祭「よせ、あいつも望んでいった旅だ。 お前の所為じゃない」

勇者「……でも」

司祭「そんな事よりも、ほんとに今すぐ行くつもりなのか?」

勇者「…ああ、戦士と魔法使い…スラきちを助けないと」

司祭「…俺も手を貸すか?」

勇者「……いや、確かにお前も、加護を持ってるけど……お前の加護のレベルじゃ、正直足手まといにしかならない」

司祭「正直に言ってくれるな」

勇者「…すまん」

司祭「ほら」

 司祭は一振りの剣を勇者に投げ渡す。

勇者「!」

司祭「この国の名工が勇者のために打った剣だ、伝説の剣には及ばないだろうが、下手な剣よりはましだろ」

勇者「…恩に着る」

司祭「あの二人も、俺たちの幼馴染であり、友達だ、頼むぞ」

勇者「ああ、必ず助けてみせる……女神様は無意味な試練を与えない。 今までだって何度もピンチは経験してる。 それを乗り越えるたびに俺達は強くなった。今回だって同じさ」

 勇者は微笑し、剣を背負うと、転移魔法を唱えた。

 勇者の体が浮き上がり、すさまじい加速とともに空を翔けていった。

司祭「……女神様……どうか……ご加護を……」


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