過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/04(木) 20:48:31.88 ID:lZn7fQPP0
勇者「……こんなもんか」

 岩石地帯で勇者は自分の手のひらを見つめる。

 体に発生する違和感に、眉を寄せ、しかし対魔王の策における第一段階をクリアしたことを確認する。

勇者「…待ってろよ、戦士、魔法使い、スラきち」

 勇者が転移魔法で飛び立つ。その後には、全身を解体され、血をまき散らす巨大な竜の残骸が残されていた。

 魔王城前に着地した勇者は、剣を抜くと魔王城へ侵入した。

勇者(牢獄の位置は把握している、本気を出せば一瞬だ)

 一蹴りで音速まで加速した勇者は、行く手を遮る魔物を蹴散らし、地下牢へ侵入した。

 自分がいた牢屋を横切り、その奥、戦士と魔法使いのいるであろう牢屋の前で止まる。

 二つの向かい合うように設置された牢獄に、それぞれ人影。

 一思いに殺そうと、勇者は雷撃呪文を――

 その手が止まった。

 異臭が、勇者の手を止めたのだった。

 蒸し暑い牢獄の中、ハエが飛んでいる。

 ハエは、二つの人影に群がっているようだ。

勇者「戦士…魔法使い…」

「貴様がここを脱出する二日前には死んでいたぞ、この花の前だと、腐食が早いらしい」

勇者「!」

 突然の声に、勇者は音源へ視線を向けた。

魔王「勇者、よく戻ってくる気になったな」

勇者「なぜ……二人は…死んでいるんだ?」

 なぜ女神の加護を持つ二人が、転生されずに……

 突然現れた魔王を前に、勇者はそう言った。 そう聞かずにはいられなかったのだ。

魔王「二人は信仰を捨てた、それだけさ」

勇者「でたらめを…」

魔王「でたらめではないさ、現に死んでいるだろう?」



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