過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/04(木) 20:50:21.58 ID:lZn7fQPP0
 三日後

 猿ぐつわ、鉄の手枷と足枷をはめられた勇者は、魔王の間の王座の横に倒れこんでいる。

 手枷と足枷は、鉄製だ、加護の力を使えれば、難なく砕ける、しかし加護の力の供給源たる魔力をカラにされた状態では、常人となんら変わらない力しか使えない……そのもどかしさに、勇者は顔をゆがめる。

 目の前に……魔王がいるのに、何もできない。

魔王「貴様の仲間を見てな、余は気が付いたのだ、貴様が信仰を捨てる方法をな」

勇者(何か……策があるのか? だから捕まったこの数日、拷問がなかったのか…一体…何を)

 戦士と魔法使いが信仰を捨てた原因が、痛み以外にあるというなら……なんだ?

魔王「あの戦士は、魔法使いの小娘の正面の牢獄にいた、これは偶然だったのだが、ある時、戦士はこう言ったのだ。 俺が信仰を捨てれば、魔法使いを助けてくれるか? とな」

勇者「!!」

魔王「余は約束した、そして女神の気配を失った戦士を殺すことに成功したのだ、最後は実にあっけなかったな」

勇者「……」

魔王「魔法使いの女は、目の前で戦士が死ぬ様を見て、自殺したよ、信仰を捨ててな」

勇者「……っ」

魔王「あれは大変興味深い事例であった、魔族には決して考えつかない発想だ、余にも今だによくはわかっていない」

勇者「……」

魔王「しかし、人間という生き物は、時に自分よりも他人を大切に思うことがある、これは大きなヒントだと思わないか? なぁ勇者よ」

勇者(……まさか…)




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