過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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323:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2015/06/25(木) 04:17:00.52 ID:Zb9lu9mu0
とある大統領の視点からの情報

その日、世界一の大財閥を経営する一族である酢乙女家の邸宅にて、盛大なパーティが開かれていた。
世界中の大金持ちや王侯貴族、為政者と言ったそうそうたる顔ぶれのならぶ会場を眺めながら、招待客の一人が退屈そうにしていた。

「……なんだって今更、こんな事をするのかねえ」

立派なひげをたくわえたその男、アメリカ合衆国大統領ロベルト・カッツェはつぶやいた。

「こんな事、とは?」

そのつぶやきが耳に入ったらしい、他の招待客が訊ねた。

「コツバーン!!お前も来ていたのか!!」

「やあロベルト!!久しぶりだな!!」

陽気なラテン系アメリカ人らしく、友人と再会をハグで祝う。
その相手もまた国は違えど大統領、モロダシ共和国首相コツバーンであった。

「それで、何が『今更』なんだ?」

「この『お嬢様が寝返りをうった記念日パーティ』がさ。そりゃここの総帥の親バカっぷりは有名だし実際ここの令嬢が幼かった頃は毎年恒例だったらしいが……ここ数年、この名目では無かっただろ?」

「そう言いながら、君も理由は大体察しが付くだろ」

「ああ『婿選び』、だな。それこそ今更な理由なはずだが……」

酢乙女財閥の総帥には今年で15になる愛娘がいる。
それ自体は有名な話だが、その未来の伴侶となるお相手はと言うと、未だ何処の誰かは決まっていなかった。
令嬢には仲の良い幼馴染が居る。令嬢は現在片想い中だ。令嬢は失恋から立ち直っていない。
様々な噂や憶測が社交界を飛び交ったが、事実無根かつ不名誉な類を除き、酢乙女家はそれらの噂にはノータッチだった。
それゆえ酢乙女家は、政治的な――いわゆる『御家の為の』――結婚を令嬢に強いるつもりは無く、
そこら辺は彼女の自由意思に任せているのだろうと、今まではそう思われていた。

「状況が変わったってことだ。具体的なソレが何かは把握しているだろう?」

「……ああ、解ってたんだよコンチクショウ。酢乙女財閥が令嬢の婿選びを今になって始めたのは、『ブルーシェイク家』の騒動が原因だってな」


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