過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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429:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2015/11/30(月) 00:31:28.90 ID:e26jeH800
「……なあ、マジでベガス行かね?」

事件がひとまず解決し、招待客リストの照合が行われている中、暇なのかロベルトがそんな事を言い出した。

「いきなりどうした?いや、まだ続いてたのかその話題」

呆れたようにコツバーンが返す。

「だってよ、ご令嬢の『婿選び』についてはお前の言った通りだったじゃん」

「流石に入れ代わっているなんて想像もしてなかったがな。まあ確かに彼『野原しんのすけ』と言ったかな?彼に決まりだろう」

「あ、やっぱりお前もそう思うか」

「ああ。どうやらあの怪物を倒す為だったらしいが、令嬢のあの『告白』を聞いてなお自身を売り込める家は無いだろう」

「あの少年が令嬢をふっちゃうとか、酢乙女の『家』が二人の交際を認めないとかは?嬢ちゃんの方は覚悟してるみたいだけど」

「いやむしろあの少年が俺の国も含めて各国の名士と友人だと判った以上、なんとしてもあの少年を堕としてワガモノにするよう令嬢に言うだろうな」

「え!?」

それまで黙って二人の会話を聞いていたクルックハルトが驚いて聞き返した。

「しかし、元々今回のパーティ……令嬢の婿選びはブルーシェイク失墜による混乱が酢乙女家に及んだ時の為に足元を固める事が目的だったはずです」

彼にそれだけのバックボーンがあるのだろうか。

「さらに言えば、今回テロリストを邸内に入れてしまったことで酢乙女家へ非難する者もでるのでは?」

コツバーンは、そんなクルックハルト女史の疑問に気だるげに答えた。

「そのどちらも既に解決した、おそらくな」

「それは何故?」

「怪物が襲われた時、我先に逃げ出した奴らにヘイトが集まるからな」

経済界の混乱もまず奴らに他家の攻撃が集中すれば、酢乙女家にとって充分な時間を稼げる。
愛娘に望まぬ婿をあてがうよりも、穏便な手段もとれるだろう。
元々酢乙女家はそのつもりだったのだから。
逆に言えば、それだけブルーシェイクの穴は大きく急な事だったということだが。

「そしてそもそも、金で買える物であれば酢乙女家に手に入らない物なんてほぼ皆無だ。それ故に婿に求められるのは金で買えないモノをいくら持ってるかだ」

少なくとも、彼が持つ二人の王子や二人の天才科学者との絆は本物だろう。

「少年の方が嬢ちゃんをふるかもって可能性は?」

ロベルトが訊く。

「それもほぼ無いだろうな……」

「何でよ?」
                  モロダシ     キス
「自分の指で相手の鼻の穴を塞ぐのは、俺の祖国じゃ他所の接吻と同じ意味を持つからな」

オマタ王子の友人である少年が、それを知らないとは思えなかった。



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