1: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:00:09.80 ID:rW7ib+xx0
「天海さんのことが好きです。アイドルとしてではなく一人の女性として」
放課後。
手紙で校舎裏に呼び出された私が言われたのは、そんな言葉だった。
「えっ……?」
「良かったら、俺と交際してください」
呆気にとられる。
頭の整理が追いつかない。
「天海さんはアイドルだから、こういうのは駄目なのかもしれないけど――」
目の前にいる端整な顔立ちをした男の子は、私を真っ直ぐ見据えて続ける。
「――もしそうじゃなくなる時が来たら、その時には考えてくれたら嬉しいです」
そう言うと、彼はワイシャツの胸ポケットから小さな紙を取り出した。
「これ、俺のメールアドレスと電話番号です。何かあったら気軽に連絡ください」
よくわからないままに私がその紙を受け取ると、彼はこちらに一礼して踵を返した。
私一人、ぽつんと取り残された校舎裏。
涼しげに吹き抜ける風が、髪とリボンをさらさらと揺らした。
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2: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:01:51.95 ID:rW7ib+xx0
アイマスの二次創作SS
モブですが一応オリキャラ注意です
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/07(日) 19:02:47.70 ID:VYKH3i5AO
オリキャラ()
他所でやれよ
4: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:05:06.35 ID:rW7ib+xx0
「……へ?……え?」
渡された紙と彼が去っていった方向を見比べながら、首をかしげる。
とにかく混乱した頭を整理しよう。
5: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:07:52.46 ID:rW7ib+xx0
「ええええええええええっ!?男の子に告白されたぁ!?」
「しーっ!声が大きいってば!」
私の所属するアイドル事務所・765プロダクションに大きな声が響き渡る。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/07(日) 19:09:48.34 ID:qWUcJFHoO
わざわざ注意書してるのによそでやれとか言っちゃう馬鹿
7: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:11:05.64 ID:rW7ib+xx0
「えっと、私はその人のことよく知らなかったから、友達に聞いたんだけど……」
「うんうん!」
真は興奮冷めやらぬといった感じで頷いていて、雪歩も眩しいくらいに目を輝かせている。
8: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:14:35.48 ID:rW7ib+xx0
「でも私、男の子から告白されるのなんて初めてで……どうしたらいいのか、全然わかんないよ」
「「えっ!?」」
私が言うと、真と雪歩が声を揃えて驚いていた。
9: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:18:18.71 ID:rW7ib+xx0
「二人は?男の子から告白されたこと、ある?」
もし告白されたことがあるなら、どう返事をすればいいのか聞きたい。
こういうのは先人に聞くに限るよね。
10: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:20:49.75 ID:rW7ib+xx0
「だ、大丈夫!雪歩は可愛いよ!」
すかさず真がフォローに入る。
真、ナイスフォロー!
11: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:23:58.97 ID:rW7ib+xx0
「……みんな、何してるの?電気もつけずに」
カチッ、と音が鳴って周りが明るくなる。
するとみんな我に返ったように顔を上げ、入口の方を見た。
12: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:27:13.87 ID:rW7ib+xx0
「……要するに」
今度こそ我に返った私たちから事の経緯を聞くと、千早ちゃんは呆れ顔だった。
「春香が人気のある男子から告白されて、どう対応したらいいか真と萩原さんに相談していたら、なぜか全員ネガティブになったのね」
13: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:30:15.14 ID:rW7ib+xx0
「ないわよ、そんなの。第一、こんな無愛想な女を好きになる男性なんていないと思うのだけれど」
しかし、真の問いに対する彼女の回答は淡白なものだった。
さすが千早ちゃん。
14: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:33:37.99 ID:rW7ib+xx0
「ひ、秘密かなー……あはは……」
「ほえー……」
雪歩が今度は小鳥さんを羨望の眼差しで見ていた。
15: ◆WhB7dmm18Q
2014/09/07(日) 19:35:44.44 ID:rW7ib+xx0
「そ、それはね……」
ぎこちない動きで振り向く小鳥さんに、全員から期待の視線が集まった。
雪歩の目がいつにも増して輝いている。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/07(日) 19:38:13.18 ID:l1ha2ND4o
はよ
17: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:39:14.16 ID:rW7ib+xx0
「……さて、これで振り出しに戻ったわけだけれど」
「……小鳥さんに、申し訳ないことしちゃったね」
「きっと私がプレッシャーかけちゃったから……うぅ、私なんて穴掘って――」
18: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:42:58.92 ID:rW7ib+xx0
「? 春香?」
「え?」
「大丈夫?顔が赤いけど」
19: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:45:32.52 ID:rW7ib+xx0
「……でも、本当に引退するまで返事を待ってもらうわけにはいかないよね」
と言ったのは雪歩。
「そうね。春香がアイドルを引退するのかどうかもわからないし……」
20: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:48:15.36 ID:rW7ib+xx0
「とりあえず、その連絡先にメールでもしてみたらどうかしら」
「で、でも私、彼のことよく知らないし……」
「知らないからこそだよ。とにかく、相手のことをよく知ることから始めなきゃ」
21: ◆WhB7dmm18Q[saga]
2014/09/07(日) 19:50:18.86 ID:rW7ib+xx0
――――一緒に悩める友達がいる。
「いずれにせよ、この話はまた今度ね。みんな、そろそろレッスンの時間よ」
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