過去ログ - 提督「心から愛しい羽黒に捧ぐ。」
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52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/12(金) 21:53:18.07 ID:Y5bjN/wIo
 どれくらいそうしていたのか、私は意識して瞬きを落とす。

 部屋にはいつの間にか妙高が待機していた。

「……気づかなかったな、すまない。楽にしていてくれ。何の用事だ?」

 私は努めて冷静に士官帽をかぶり直して言う。

 妙高はくすくすと笑みをこぼした。

「本日、秘書艦に任命された妙高です」

「何!?」

 たまらず私は声を荒げる。

 秘書艦である夕張はいったいどうしたのだろうか。

「夕張さんから代行を仰せつかりました」

 笑みを浮かべる妙高のその言葉に私はたまらず息を吐いて椅子に腰かける。

「あの小娘、少し灸を据えてやろうか……」

 喉飴をかみつぶして次の喉飴を放り込み、私は吐き捨てるように言う。

「しかしなぜ君なんだ? 君とて愛しの妹が心配だろう?」

「羽黒は強い子ですから」

 その言葉にたまらず私は笑みをこぼす。

「はは、酒におぼれて夜な夜な涙を流す提督よりは強いだろうさ」

「自虐ほど笑えない洒落もございません」

 その言葉に私は肩を震わせて笑う。

「あぁ、君たち姉妹はどうしてこうも似ているようで似ていないんだろう。つくづく面白い」

「お気に召したようで光栄です」

 ぺこりと軽く頭を下げた妙高を見つめて私は大きく息を吐く。

「……そういえば君と語らうことはほとんどなかったな」

「えぇ。提督は私をそばに置こうとしませんでしたから」


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