過去ログ - 八幡「やはり俺の世にも奇妙な物語はまちがっている」いろは「特別編ですよ、先輩!」
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864: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:39:11.37 ID:B4EYcr5Go
思い出とともに、膨大な量の感情が胸の中に雪崩のように流れ込んでくる。泣かないように歯を食いしばっても、溢れる感情の波は止められなかった。

八幡「雪ノ下……由比ヶ浜……っ」

この一週間だけで、何度俺は涙を流しただろう。何度、この胸の痛みに耐えかねて叫んだだろう。
以下略



865: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:40:03.90 ID:B4EYcr5Go
博士「落ち着いたかい?」

八幡「……みっともないよな」

博士「いや、いいんだよ。それが若者の特権さ。泣きたいだけ泣いて、怒りたいだけ怒って、笑いたいだけ笑えばいい。大人になると、それが少し難しくなるからね」
以下略



866: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:43:05.68 ID:B4EYcr5Go
そして、俺一人だけが取り残された。

もう一度、渡された写真を見る。また目元が熱くなるが、今度は間一髪で堪えた。

空を見上げると、雲一つない星空が広がっていて、それがたまらなく寂しいと感じた。
以下略



867: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:44:57.32 ID:B4EYcr5Go
もう『過去』にすがるのはやめよう。俺が生きるのは『現在』であって、希望を持つべきなのは『未来』だ。

『過去』は、たまに振り返るくらいの存在でいい。

ふと、頬に冷たい感触があった。
以下略



868: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:46:32.67 ID:B4EYcr5Go
いつか、俺にはまた大切なものが出来るのだろう。

それは友人かもしれないし、恋人かもしれない。そしてその人たちと過ごす日々の中で、あの世界でのことを思い返さない日が増えていくのだと思う。


以下略



869: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:48:31.31 ID:B4EYcr5Go
【Epilogue】

八幡「うーん……」

八幡「あれ、ここは俺んち……? いつの間に帰って来たんだ俺?」
以下略



870: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:51:20.51 ID:B4EYcr5Go
八幡「……あれ?」

本棚の奥に封印していたはずの封筒が外に飛び出していた。昨日酔った勢いでこれを読んだのだろうか。だからあんな夢を見たのだろうか。

八幡「もうこの一年くらい見てないな……」
以下略



871: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:53:19.92 ID:B4EYcr5Go
ポロっと何かが床に落ちる。拾い上げてみると、それは博士から貰った写真だった。

写真の中の三人はあの頃と少しも変わらないままだ。その時、人がなぜ写真を撮るのかがわかった気がした。

一度過ぎ去った時は決して戻らない。ただ、そのカケラを保存することくらいなら、写真は可能にする。
以下略



872: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:54:25.38 ID:B4EYcr5Go
ふと、写真から目を離して窓を見ると、外であの日のように雪が降っているのが見えた。静かに、白い結晶が街に降りていく。まるで、この街を包み込むかのように。

八幡「……たまには」

たまには、たまになら、昔のことを懐かしむことも許されるのかもしれない。
以下略



873: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:55:44.97 ID:B4EYcr5Go



八幡「――俺も」

以下略



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