過去ログ - 島村卯月「輝きとか魔法とか」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/11(木) 04:23:12.60 ID:xJ/EUPVro


 輝き。

 キラキラと眩く、可愛くって美しく素敵な。 

 そんなアイドルになりたいって。





 ずっと思ってた。



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2:>>1[saga]
2014/09/11(木) 04:41:54.95 ID:xJ/EUPVr0
おはようございまーす♪

 我がシンデレラプロダクションの事務室を開ける。最初面接できた時の雑居ビルの一室からは成長したといっていいはずの8階建てビル。プロデューサーさんがいろいろな施設を作りたいと言い始めてあれやあれや気がついたらビルが建っていた。

「おはよう、卯月ちゃん。凛ちゃんと未央ちゃんは先にトレーナーさんのところへ行ったわよ」
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 04:43:53.77 ID:xJ/EUPVro
ざっとホワイトボードの予定表を確認する。開いてるマスは月に一回あるかないかだ。765プロダクションとの共同ライブ以降まともに休めるのが高校のテスト期間中だけという。それだけあのライブは世間のシンデレラプロダクションを見る目を変えてしまった。


4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 04:46:14.15 ID:xJ/EUPVro
私の名前は島村卯月。17才で4月24日生まれ。趣味は友達と長電話すること。

「ちょっと未央、ダンス合わせないと」

 彼女は渋谷凛。15才で8月10日生まれ。趣味はわんちゃんのお散歩。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 04:47:12.88 ID:xJ/EUPVro
彼女は本田未央。15才で12月1日生まれ。趣味はショッピング。

 未央ちゃんは私たちよりダンス圧倒的だもんねぇ。

「おっ! おはようしまむー!」
以下略



6:2chmateの調子が悪いのでこっちから[saga]
2014/09/11(木) 04:49:00.19 ID:xJ/EUPVr0
「ありゃもうこんな時間だ」

 どうしたの未央ちゃん?

「いやねー、しまむーが来る前にしぶりんてば新しいステップ覚えてびっくりさせてやるんだって言ってたんだけどねー」
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 04:49:54.16 ID:xJ/EUPVr0
「新曲"We're the friends!"への気持ちをお聞かせもらえますか?」

「そうですねーーー………」

 曲の感想みたいなのを聞かれたらたいてい凛ちゃんが答えることになっている。私たち3人はニュージェネレーションというユニットを組んでいるのだが、この中で曲への理解が一番深いのは凛ちゃんであるから。盛り上がるところだとかここの歌詞を聞いてほしい! みたいな強調のアピールはほとんど未央ちゃん。持ち前の明るさからたくさんの共感が生まれる。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 04:50:43.61 ID:xJ/EUPVr0
先頭になって何かをしてもらう役、もちろんほとんどチュートリアルが終わったらゲームオーバーで交代。みたいな立ち回りがきっとやりやすいのだろう。少なくともニュージェネレーションでクイズ番組や体を張った行為をする番組に出た際は9割私が先頭だから。

 いつもの笑顔を顔に貼り付けて。


以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 04:53:10.29 ID:xJ/EUPVr0
午後になって凛ちゃんと未央ちゃんは学校に行った。私はテスト期間中でお休み。アイドル活動も大事だけどもちろん学業も大事にするのがシンデレラプロダクションだ。幼稚園から大学生、さらには30代のお姉様までいるはともかくプロデューサーさんが一体どこからアイドルたちを誘ってくるのかは不思議である。

「ほら杏ちゃ〜ん、飴あげるからお仕事行こうにぃ?」

「うーーー……あ、ほらきらり先に行っててよ、杏あとから行くからさ」
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2014/09/11(木) 04:59:55.18 ID:xJ/EUPVr0
 杏ちゃんにきらりちゃん、こんにちは。また杏ちゃんお仕事サボろうとしてるの?

「卯月ちゃんおっすー☆ もー杏ちゃんてば、ぴーちゃん困っちゃうにぃ」

 この人数をプロデュースしながら体調を崩したこともないお休みしたこともないプロデューサーさんが困ることのほうが見てみたい気もする。イベントに出てはアイドルたちの新しい衣装を勝ち取ってきたり定期的に新アイドルを見つけてきたり。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:00:50.39 ID:xJ/EUPVr0
 事務所の向かいにあるハンバーガー屋さんに来た。夕方からトレーニングだし食べておかないともたないから。

「だーーーかーーーらーーー、なんでお前は食べられないのに注文するんだ」

「食べたかったんだもん」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:01:34.30 ID:xJ/EUPVr0
「ちょうど良かった、ほら加蓮が残したポテトあるんだけど食べないか? こいつ食えないくせにでかいサイズ頼みやがってさ」

「食べれるかなーって思ったの!」

 北条加蓮ちゃんと神谷奈緒ちゃん。彼女たちは凛ちゃんとトライアドプリムスというユニットを組んでいる。歌唱力とビジュアルで男性だけじゃなく女性にも大人気だ。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:08:30.23 ID:xJ/EUPVr0
 黒の支配者よ、生命の源を授けよう。

「太陽姫! 流石は賢者よお見通しと言う訳か。ふっ、この場は礼を言おう……。あ、ありがとう卯月さんっ」

「蘭子ちゃんトレーニングお疲れ様。スポーツドリンクだけどね、あげるよ」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:12:46.88 ID:xJ/EUPVr0

 渋谷凛。ーーー歩みを止めない覚悟。

 本田未央。ーーーどこまでも自分自身でいる覚悟。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:17:19.63 ID:xJ/EUPVr0
 たとえばアイドルデビューしてから1年ちょっと、ほとんど報われないような生活をしてたのにプロデューサーさんはずっと応援しててくれた。このアイドル戦国時代、きっと1年でやめてしまった、やめさせられてしまった子たちも間違いなくいたはずでそんな中、なかなか芽が出なくても懸命にプロデュースをしてくれたプロデューサーさんが好きだとか。

 小さい頃から憧れていたアイドルという職業。その一歩目としてかけたこの事務所への電話はよく覚えている。

「卯月さんはどんなアイドルになりたい?」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:20:38.74 ID:xJ/EUPVr0
 私の夢はアイドルになること。なら今は?その先は?
 
「……き? 卯月ー? おーい?」

 あれ、プロデューサーさん……?
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:21:29.50 ID:xJ/EUPVr0
 帰りの車の中、珍しく静かな空間。

「あー」

 はい? どうかしましたか。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/11(木) 05:39:47.20 ID:xJ/EUPVr0
 私、夢叶っちゃいました。それでどうしようって。わからなくなって。アイドルもお仕事も楽しいんです、毎日毎日素敵なことがあって。

 なのに。

 なのに。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:40:37.95 ID:xJ/EUPVr0
「俺はさ」

 はい……?

「今だから言うけど。俺は、間違いなく、卯月のことが好きだ」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:41:24.12 ID:xJ/EUPVr0
「なんだよその反応傷つくなぁ。……仕事が辛い時も卯月の笑顔で癒やされてさ。今となってはたくさんの娘をプロデュースしてるけど当時はお前だけだったろ? あれ実はな、社長に頼んでソロにしててもらったんだよ」

 そんなことがあったんですか……。ただでさえプロダクションは人が足りてないのに。

「まーいいじゃないか。んでさ、俺としてはお前はまだまだ輝き足りないと思う。俺が好きな卯月は辛い時だって、暑い時だって寒い時だって、笑顔の魔法の達人だけど。お前ならもっと上に行ける」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:42:01.66 ID:xJ/EUPVr0
「そう、上。シンデレラガールなんて目じゃないぞ。あの765プロアイドルだって超えていけるアイドル。トップアイドルになれる」

 輝きの向こう側……。トップアイドル……。

「お前の夢はもうおしまいなのか? どうせならもっとでかい夢にしようぜ? 舞浜で俺になんて言ったっけ、俺は覚えてるぞ」


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