9: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:51:15.37 ID:xtrvtJBuo
「人殺しってどう思う?」
「なんじゃ、唐突に」
目を瞑って頭を預けている彼女はゆっくりとそう言った。
「僕は人を殺したんだ」
「…」
黙る。
それは僕の話が疑わしい事だからなのか、それとも僕を警戒しているのか、そのどちらかだろう。
「そうかの」
しかし以外にも彼女はあっさりと応えた。
「誰だって過ちはあるじゃろうて」
優しさが、痛い。
「…だから、ここへ来たんだ」
「気を紛らわすために」
嫌だった。
いくら過去の事とは言え人を殺した事実は変わらない。
それは数年たった今でも目に見えないだけで確実に僕の心を蝕んでいる。
「…正直、そんな重いとは思わなかったの」
気にしなくてもいいよ
僕はそう言ってまた空を見上げた。
空は重く澱んでいた。
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