1: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:17:00.64 ID:xtrvtJBuo
人を殺すってどういうことなんだろう。
それはきっと世間的には心臓の鼓動を無理やり停止させるような
あるいは脳が修復不可能なほど壊れてしまう状況に無理矢理陥れることなのかもしれない。
どちらにせよ
僕が人殺しという事実は変わらない。
「綺麗だなぁ」
満天の星空。
雲一つなく澄み切った空気の中控えめに主張し続ける星の雫。
確かにそれは素晴らしいものだけれど。
それでも僕はもう手遅れだ。
「おや、珍しいの」
その丘で
普段なら誰もいないその丘で
僕に声をかけてきたその少女こそ
黒い髪を闇夜に溶け込ませるその少女こそ
僕が殺しても殺せない人間だったなんてあの時は思いもしなかった。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/09/11(木) 17:18:21.98 ID:iyVYzaIeO
ふみ
3: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:21:55.13 ID:xtrvtJBuo
「…君は?」
僕は一人の時間を邪魔された苛立ちからつっけんどんに質問を投げかけた。
少女はケタケタと笑った。
4: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:26:11.99 ID:xtrvtJBuo
次の日も彼女はいた。
この丘は日が出ている間は見晴らしがいい場所なのだけど夜は暗くてかなり危険だ。
こんな所に居るなんてまともじゃないだろう。
彼女も僕も。
5: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:30:05.76 ID:xtrvtJBuo
「飲むかい?」
僕は近くの自販機に売っていたホッとコーヒーを差し出す。
「すまないのう」
6: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:35:44.90 ID:xtrvtJBuo
「…今日はお前が先かの」
「残念だね」
僕は三日連続で彼女とであった。
7: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:41:58.21 ID:xtrvtJBuo
人と関わらないと決めていたわけじゃない。
だけど心のどこかで関わってはいけないんだと思っていた。
人を殺したから。
たった一人だけだけど。
確かに人を殺したから。
8: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/09/11(木) 17:45:30.02 ID:xtrvtJBuo
「…余計なこと聞いちゃったね」
「別に気にしてもおらんわ」
彼女は手を伸ばしながら同時に伸びをした。
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