73: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/26(金) 23:21:13.62 ID:fTpXk5n+O
赤城は、いまだ視認には遠すぎる敵空母を睨みつけた。
視線を片時も外さないまま、つい先刻のやりとりを反芻する。
『一隻!? どういうことなのよ長良、随伴艦はいないの!?』
『待って、今偵察が戻って……空母の後方から遅れて南下してきている艦が、五隻確認できました!』
『馬鹿な! 旗艦が随伴艦を置き去りにしたというのか!?』
『なんの理由があってそんな……』
『皆、落ち着きなさい。敵随伴艦との距離は?』
『どれだけ早く見積もっても、この戦場に到着するには、一時間はかかると思う……思います』
『……航空戦に半刻かけたとして、猶予はもう半刻。どちらにせよ、この好機を逃す手はないわ』
加賀が目を見開いた。
『ここで、確実に落としましょう』
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