過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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130: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/12/27(土) 01:06:21.61 ID:6rJa/3MJ0
そのまま和の勤め先へ向かってもよかったのだが、二人は腹ごなしにまずは付近を散策することにした。
咲が道すがら色んな店に興味をもったせいだ。
咲「ねえ和ちゃん。あのお店も覗いてみていいかな?」
和「……またですか」
咲が袖を引くと、和はげんなりとした声を出した。
それでも結局は咲に付き添ってくれる姿にまた懐かしさを覚えて嬉しくなる。
咲の目に留まったのは本屋だった。
店の外にはワゴンがあって、色とりどりの本がぎっしりと詰まっている。
表紙からみるに、どうも美術書が中心のようだった。
この辺りは有名なポンピドゥー・センターに程近く、さらにはピカソ美術館など小さめのミュージアムがたくさんある。
その影響か、芸術関係や個性的な品揃えの店が多かった。
和「本なんて重くて持ち帰りにくいですし、程ほどにしておいた方がいいですよ」
和の小言を聞き流しながら、咲はいそいそとワゴンへ駆け寄った。
本は名画集から前衛的な写真集まで多種多様で、言葉はわからずとも捲っているだけで楽しい。
咲(たくさんは無理でも、一冊くらいは持って帰りたいなぁ……)
自然とそういう欲がわいてきて、咲は己のことなのに驚いた。
本を買いたいと思うなんて、そういえば随分久しぶりだということに気づいたのだ。
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