過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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33: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 01:26:54.82 ID:IfVJEPyJ0
その祈りが届いたのだろうか。

?「……」

ふと、視界が真っ暗になった。

咲に手をかけようとしていたエマが横を見上げたまま動きを止めている。

その様子につられるように、咲も同じ方向を見上げた。

路地の入り口をふさいでいた人物は、影になっていてよく見えない。

その人物がこちらに話しかけてきた。

エマが慌てふためいて何かを喚く。

2人ともフランス語を話しているせいで、その内容は咲にはさっぱりわからなかった。

けれども何か助けのヒントにならないかと耳をすませているうちに、どうにも奇妙な感覚が咲を支配していく。

咲(この声……聞いたことがある……あっ!?)

高校の時の友人の面影と目の前の姿が、咲の脳裏でピタリとあっていく。


咲「和ちゃん…?」

和「咲、さん…?」


それは間違いなく日本語だった。


咲・和「「やっぱり……!」」


2人の日本人の声が、見事にシンクロする。

まさしく高校でともに青春を過ごした友人――原村和であった。



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